北朝鮮の金正恩国務委員長が手術を受けて重篤な状態にあるという報道が世界を駆け巡った。健康上の問題を抱えていることは想像に難くないし、北朝鮮のような国では最高指導者の健康問題は現実政治に大きな影響を与える。各国が情報収集に走るのは当然だろう。 ただ発端といえるCNN報道から3日後の4月23日時点では、「健康上の問題はあったかもしれないが重篤というほどのものではないだろう」という見方が強くなっている。ここでは、今回の「重篤説」のような情報が出回った時に、いかに検証すべきかという視座を提供したい。 金日成、金正日の死去は事前察知できず 最初に出た関連情報は、韓国の北朝鮮専門サイト「デイリーNK」が20日に報じたものだ。金正恩委員長が12日に平安北道・妙香山地区の一族専用病院で心血管疾患の手術を受けて静養中だという内容だった。平壌からも医師が大挙して現地入りしたが、術後の状態が良好なので19日に多