世界最大のストリーミング・サービスであるSpotifyが日本でのサービス開始を発表してから一年弱。Apple Musicが先行し、それ以上にCDのマーケットが根強く残るこの国においては、まだまだ市民権を獲得したとは言いがたい状況だ。しかし、レディオヘッドやニール・ヤングといったアーティスト・サイドからの反発がありつつも、ポップ・カルチャーにおける何度目かの産業革命は確実に進行しつつあり、その波が10年遅れでここ日本にもいよいよ到達してきたことは間違いない。では、ストリーミング・サービスは音楽にとって敵なのか? 味方なのか? 現在に至るまでの国内外の音楽メディアの歴史を踏まえて、このタイミングでそれを今一度議論することは、十分意味があると言えよう。そこで、かねてより「文化は産業を変えないが、産業は文化をドラスティックに変えてしまう」という持論の持ち主であるThe Sign Magazineの