【北京=大木聖馬】丹羽宇一郎・駐中国大使の車が襲撃された事件で、中国当局が国内各メディアに対し、事件に関しては当局の発表以外に独自報道はしないよう規制する通達を出していたことが30日わかった。 中国のメディア関係者によると、通達は27日の襲撃事件発生直後に出された。中国各紙は30日現在、事件の発生や経緯に関してほぼ沈黙を続けている。 この関係者は、報道規制の狙いについて、〈1〉反日行動が激化しないようにする〈2〉事件自体を封じ込め、容疑者の処分を隠密に進める――の2点を挙げ、「事件の対応を誤れば中国国民の反日感情はさらにこじれ、反日デモが拡大しかねない。当局は事件の報道を減らすことで批判も封じ込めたい思惑だ」と話す。 だが、インターネット上では、日本メディアによる襲撃事件報道の中国語訳が数多く掲載され、書き込みも殺到している。ポータルサイト「騰訊網」の調査では、回答者約5万3000人のうち