米カリフォルニア州サンフランシスコでルートを変更して行われた聖火リレーで、警官が厳重に警戒するなかを進む聖火=AP 【サンフランシスコ=堀内隆】ロンドン、パリで妨害行為の的になった北京五輪の聖火をどう守るか。9日に北米唯一の聖火リレーが行われた米サンフランシスコ市当局の答えは「ルートを丸ごと変更する」だった。聖火が新ルートに移った後も、元ルートの観客には一切、知らせない「隠密作戦」。市民からは不満の声も上がった。 開会式場は大リーグ、サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地である野球場「AT&Tパーク」そばの入り江。当初の予定では、聖火は海岸沿いを往復する約10キロのコースだった。他の都市の数分の一の距離で警備しやすい大通り。「混乱を織り込んだコース設定」と誰もが思っていた。 ルート上には朝10時ごろから中国に抗議するチベット系団体や、中国を擁護する地元の中国系アメリカ人のグループが集