日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」に一澤帆布工業の現社長のインタビューが載っていた。 一澤帆布は京都の老舗の鞄屋。名前の通りキャンパス地を使った商品が売り物で、世間ではここのトートバックが定番アイテムの地位を確保している。 ところがここの創業者が亡くなった後、残された兄弟の中で内紛が勃発。先代の遺言状が二通も出てくるという異常事態に発展。裁判沙汰の末、それまでUFJ銀行に務めていた長男に有利な判決が下り、二十五年にわたり店を切り盛りしてきた三男が店から追い出されてしまった。 しかしこれで決着は着かなかった。三男は新たに一澤帆布加工所*1を設立。そして元の一澤帆布の職人、一澤帆布に布を卸していた仕入れ先も三男の方についてしまった。長男の手元には店と製造機械は残っているがこれだけではどうにもならない。裁判では勝ったが実業では負けた格好である。 というわけで長男の方が「敗軍の将、兵を語る」にご