残業代込みの賃金を支払う「裁量労働制」の適用を理由に、長時間労働に見合った残業代を支払わなかったのは違法だとして、アニメ制作会社「STUDIO4℃(スタジオよんどしい)」(東京)の社員の男性(25)が、未払い残業代など計約534万円の支払いを同社に求める訴訟を東京地裁に起こした。同社はスタジオジブリ出身のアニメプロデューサーが社長を務め、今年公開されたアニメ映画「海獣の子供」などで知られる。 男性と、男性が加入する労働組合、弁護士が18日、記者会見して明らかにした。提訴は10日付。 会見で男性は、アニメや映像業界では長時間労働や残業代の未払いが「当たり前のように横行している」と指摘。「アニメ制作はとても魅力的な仕事だが、だからといって現場の『やりがい搾取』をしていいことにはならない。残業代がしっかりと払われれば、長時間労働の抑止にもなるはずだ」と話した。 訴状などによると、男性は2016年