要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター行動遺伝学技術開発チームの糸原重美チームリーダー、黒木暁リサーチアソシエイト、吉田崇将客員研究員、細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダー、早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻の大島登志男教授らの共同研究グループ※は、マウスを用いて、多感覚刺激に対する大脳皮質の新たな神経応答を発見しました。 複数の知覚情報の統合は、外界の情報を正確に素早く得る手段であり、高次脳機能の根幹をなします。これまで、大脳皮質の多くの領域におけて複数種類の感覚刺激(多感覚刺激)に対する応答が報告されていましたが、これらの領域がどのように連携して感覚情報を統合しているのか、明らかではありませんでした。 今回、共同研究グループは、信頼性の高い光学シグナルを興奮性細胞もしくは抑制性細胞選択的に発する遺伝子改変マウスを新たに作製し、感覚刺激がない状態と多感