前半部で構築主義に至るまでの歴史、考え方などを示したあと、後半では「有害コミック論争」について構築主義アプローチで迫った中河伸俊らの研究について解説しています。 中河伸俊自身が書いた「社会問題の社会学」とタイトルが同じなのでややこしいですが、こちらは赤川学の本です。値段半分でページ数は3分の1なので、「構築主義ってどんなもんなのかな」くらいの人には丁度いいと思います。 以下、構築主義とはどんなものなのか、僕なりに整理してみました。 パンクな構築主義 構築主義では基本的に社会問題を扱いますが、なかなかパンクなやり方をします。例えば、上野加代子・野村知二は「児童虐待の構築」で、 「児童虐待の深刻さを語る人が増えてるけど、あれって本当は「児童虐待」の定義が変わってたり、児童虐待の深刻さを表す統計にしたって多様な解釈を封じ込める形で人々を説得するための道具として使われてるんじゃないの?」 みたいな