サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月19日(日)、イタリア・ミラノにて発表。伝統的な男性服を踏襲し、エレガントに再解釈したワードローブが観衆の心を奪ってゆく。 インスピレーション源は、20世紀初頭の原始美術のアーティストたち。胸元やテキスタイルに多数登場した、抽象的なモチーフにこれらのイメージが反映されているのだろう。自由な旅を想起させるのは、“冒険家”を思わせるようなコーディネート。カーキのオールインワンは、ボーイスカウトをランウェイに登場させたかのようなアドベンチャーを感じさせる。 自由な旅に、大きな荷物はつきもの。美しいタキシードにも背中を覆うようなバックパックを合わせたり、3つのリュックが繋がったようなアイテムも披露された。また足元は、ドレスシューズよりもスニーカーやサンダルといった、歩を進めやすいシ

メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)が2017年春夏コレクションを、ブランド初となるイギリス・ロンドンで発表。 今シーズン、テーマに掲げた「NO CLUB LONE WOLF」(一匹狼)には、これまでコレクション発表の地を東京からミラノ、パリ、そして今回のロンドンに移した、メゾン ミハラヤスヒロどこにも属さない“孤高感”を投影しているという。 1950～60年、アメリカのポップカルチャーに影響を受けていたドイツの労働者階級の若者たちが好んだスタイルを再解釈していく今季のワードローブには、遊び心溢れるアイディアが絶えない。 例えば、キーアイテムのひとつであるボーリングシャツ。オンブレチェックとの組み合わせは、色柄自体もアシンメトリーだが、右だけをタックインした着こなし方もまた非対称なニュアンスを汲んでいる。チノとデニムの掛け合わせに、片足だけロールアップした

ドルチェ＆ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2017年春夏コレクションが、2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノで発表された。会場へ着き、中へ案内されるときにかけられる言葉、それは“パーティーへようこそ”。一体どんなショーが、演出がされるのか、期待で胸が膨らむ。 ステージでは、スムースジャズの生演奏がなされ、穏やかなムード。ネオンカラーのライトとは裏腹にゆったりとした時間が流れる。しかし曲調は一変。一気に体が動いてしまうような、アップテンポな曲に変わった。 ランウェイを闊歩するのは、煌びやかなスーツを身にまとったジェントルマン。音楽のリズムに合わせるように、誇らしげに足を進める。トロンボーンやトラペット、グランドピアノやアルトサックスなどのモチーフは、テキスタイルにも描かれ、まるでメロディが目で見えるよう。スニーカーやサンダルを履くルックも見られ、軽やかに上品に、そして情熱的

【レポート】サルヴァトーレ フェラガモ 2017年春夏メンズコレクション - 原始美術を探して、冒険家は旅に出る サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月19日(日)、イタリア・ミラノにて発表。伝統的な男性服を踏襲し、エレガントに再解釈したワードローブが観衆の心を奪ってゆく。 インスピレーション源は、20世紀初頭の原始美術のアーティストたち。胸元やテキスタイルに多数登場した、... レポートの続きを読む

ボリオリ(BOGLIOLI)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月19日(日)、イタリア・ミラノにて発表。ロシアの芸術家ニコラ・ド・スタールの抽象的な絵画をイメージの源泉に、ノンシャランで柔らかなテーラリングスタイルを提案した。 シルエットは、着易さが漂う軽やかな印象を放ちながらも、正確無比でフォーマルな印象を外さない。少しの気だるささえ纏い、都会的なニュアンスを持っているが、ジャケットの襟や時折現れるネックの広いシャツは、クラシカルなフォルムを保っている。 タキシードスタイル以外にも散見されるのは、ワークウェアをインスピレーションにしたアイテム。ラフなエッセンスが紳士にワードローブに加わると、力強さが一気に感じられるバランスを見せる。 クルーネックのアイテムや太峰のリブニットなど、襟がついていないアパレルもたくさん披露される中、興味深い使われ方をしていたのがスカーフだ。一般的

【レポート】ボリオリ 2017年春夏メンズコレクション - 柔らかなテーラード、スカーフが個性を引き出して ボリオリ(BOGLIOLI)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月19日(日)、イタリア・ミラノにて発表。ロシアの芸術家ニコラ・ド・スタールの抽象的な絵画をイメージの源泉に、ノンシャランで柔らかなテーラリングスタイルを提案した。 シルエットは、着易さが漂う軽やかな印象を放ちながらも、正確無比でフォーマルな印象を外さない。少しの気... レポートの続きを読む

ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の2017年春夏メンズコレクションが2017年6月21日(火)、イタリア・ミラノで発表された。丸い光が延々と続く道のように灯され、穏やかな夜を思わせる会場。静かな空気感の中扉は開き、今シーズンのワードローブが披露される。 パジャマを連想するような、柔らかい生地感とネックの緩さが印象的なセットアップでショーは開幕。グレーや白など淡色のパレットに乗せられ、フォーマルなアイテムも気張らないリラクシングな空気を纏う。 とはいえ、ジャケットのテーラリングはブランドらしい端正なもの。肩のサイズはきっちりと合わせられ、ボタンの配置や襟の形などの丁寧な仕事が気品の高さをもたらしている。対照的にボトムスは太くゆったりとしていて、コーディネートの緊張感を程よく解いている印象だ。ブランドの本質は、北と南、異国情緒と都会という要素をブレンドしている点。マルチカ

【レポート】ドルチェ＆ガッバーナ 2017年春夏メンズコレクション - ジャズ×トロピカル、音楽を身に纏い踊る夜 ドルチェ＆ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2017年春夏コレクションが、2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノで発表された。会場へ着き、中へ案内されるときにかけられる言葉、それは“パーティーへようこそ”。一体どんなショーが、演出がされるのか、期待で胸が膨らむ。 ステージでは、スムースジャズの生演奏がなされ、穏やかなム... レポートの続きを読む

ヴェルサーチ(VERSACE)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノで発表された。 壮大なホールに設置されたスクリーンでムービーが映し出された後、暗転し現れた奥の空間には、数人のダンサーが構える。踊りが始まると中央に一閃の光が差し込みモデルが出現。彼の歩くその先を光が指し示すように、ランウェイが浮かび上がった。 ファーストルックを飾るのは、風になびく柔らかな素材のコートを纏ったスタイル。深いグリーンで統一されたシンプルな着こなしは、マントのようにひらりと棚引くアウターがアクセントとなり、洗練されたコーディネートに仕上がった。また、象徴的なトップスと対比するように、ボトムスはスキニーなショーツに集約。丈に大きな差をもたらすことによって、互いが引き立つよう見せられているのだろう。 緑から始まったパレットは、ダークトーンを中心にあらゆる色を含む。特にも印

ニール バレット(Neil Barrett)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノにて発表。歴史を感じる建物が会場となり、透明な天井の下には真っ白な空間が浮かび上がる。どんなアイテムが披露されるのか、観衆の熱気が高まっていた。 1970〜90年代にかけての、イギリスのワードローブがインスピレーション源ではあるが、ヴィンテージすぎず現代で映えるよう再解釈を重ね、レトロでありながらモダンなウェアが構築された。パレットは、ダークブラウンを中心に、ブラックやホワイト、濃淡様々なインディゴと、落ち着いたバランス。穏やかな色味でありながら、素材のバリエーションが豊かで、1つのカラーの中でもいくつもの表情が見られた。 時代感のミックス以外にも、テーラードとスポーツスタイルのミックスが所々で登場。テーラードのシャツに、ハイウェストのリブパンツを合わせ、ジャケットを

エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMAN)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月20日(月)、イタリア・ミラノで発表。ジョルジオ・アルマーニのものらしき指紋が、ランウェイ奥の中央に掲げられた会場。ブランドのアイコンとしてそびえ立つその“唯一無二のデザイン”が、いかにしてワードローブに落とし込まれるのか、期待が高まった。 ファーストルックでは、その指紋が大きくプリントされたTシャツと、草木柄の刺繍が施されたパンツを着用。手にはパンツと同素材のジャケット、アイウェアを持ち、散歩に出かけるようなリラクシングな雰囲気を纏っていた。 ショーの前半は、ブラックやネイビーなどダークなパレットを中心に披露。レザーにビニールのような光沢のある素材を合わせ、異素材のツヤ感をぶつけたものや、テーラードジャケットにジッパーを使用したスポーティなハイネックを組み合わせたものなど、異なるジャンル

【レポート】ヴェルサーチ 2017年春夏メンズコレクション - 柔らかなベールが隠した魅力は、より大きく輝く光に ヴェルサーチ(VERSACE)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノで発表された。 壮大なホールに設置されたスクリーンでムービーが映し出された後、暗転し現れた奥の空間には、数人のダンサーが構える。踊りが始まると中央に一閃の光が差し込みモデルが出現。彼の歩くその先を光が指し示すように、ランウェイが浮か... レポートの続きを読む

【レポート】ニール バレット 2017年春夏メンズコレクション - レトロを現代に輸入、寄木細工は懸け橋に ニール バレット(Neil Barrett)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノにて発表。歴史を感じる建物が会場となり、透明な天井の下には真っ白な空間が浮かび上がる。どんなアイテムが披露されるのか、観衆の熱気が高まっていた。 1970〜90年代にかけての、イギリスのワードローブがインスピレーション... レポートの続きを読む

マルニ(MARNI)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノで発表された。 “繋げることと、切り離すこと”。相対するこの2つの出来事は、反対の意味でありながら、いつも隣り合わせで存在している。今シーズンのマルニは、テープやベルトを用いることで、この二律背反をワードローブに落とし込んだ。 プレーンで美しいセットアップの胸のあたりには、体を絞るようにベルトがなされている。ゆったりとしたシルエットのシャツには、腰の位置でシェイプするテープを。クロップド丈で、シンプルなボトムスが引き立てるのは、クラシカルな表情の少しゆったりとしたトップスだ。あらゆる位置で施されたこの“絞り”が、上下の大小とはまた違ったコントラストを生んでいる。 また、あらゆるアイテムに見られたデザインとして、一度カットしたパーツをもう一度テープで組み合わせているものが挙げられる。今季を代表

【レポート】マルニ 2017年春夏メンズコレクション - 繋げること、切り離すこと。 マルニ(MARNI)の2017年春夏メンズコレクションが2016年6月18日(土)、イタリア・ミラノで発表された。 “繋げることと、切り離すこと”。相対するこの2つの出来事は、反対の意味でありながら、いつも隣り合わせで存在している。今シーズンのマルニは、テープやベルトを用いることで、この二律背反をワードローブに落とし込んだ。 プレーンで美... レポートの続きを読む