女性の政治参加が認められなかった時代、彼女たちは"家庭でのものづくり"を通して、世界にプロテストやアクティビズムを叫んでいた。メディアとしての刺繍や編み物のあり方、現代の女性たちに引き継がれている精神を探る。 女性が自由に、安全に、そして公的に発言ができるようになる遥か前の時代から、女性は刺繍や編み物を通して政治的視点やプロテストの声を表現してきた。1970年代、刺繍と編み物は、第二波フェミニズムのなかで、伝統的にして男性至上主義のアート業界に大きな衝撃を与えた。現在も多くの女性がテキスタイルをコミュニケーションの方法として、そして資本消費主義に対峙するひとつの方法として用いている。テキスタイルは、女性の歴史において常に、さまざまな局面で「裁縫」と「修繕」以上の意味を持ってきたのだ。 エリザベス・エメリー(Elizabeth Emery)は、大学で美術の勉強をしていた学生の頃から、数世紀に
![刺繍のメディア史「テキスタイルが伝えてきたもの」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ad3911c0d53b2995e5b8a4422f5668926304bd19/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcld.fashionsnap.com%2Fimage%2Fupload%2Fc_fill%2Cq_auto%2Cg_auto%3Asubject%2Ch_670%2Cw_1280%2Fasset%2Farticle%2Fimages%2F2017%2F02%2FWORDSBERG_20170219_01.jpg)