新年早々、とてもいいものを見た。元日にスタジアムに足を運んだ人も、テレビの前で観戦した人も、そう思ったのではないだろうか。 プロとアマチュアが混在する、日本で最も歴史のあるオープントーナメントの天皇杯は、真の意味での日本一を決める大会だ。 東京・国立競技場で行われたFC東京と京都サンガの決勝戦は、サッカーの持つ美しいテイストを十分に発揮した試合だったのではないだろうか。 Jリーグが発足して以来、初めてトップリーグではないJ2チーム同士の決勝戦となった。試合前はレベルが落ちるのではないだろうかという風評もあった。しかし、ふたを開けてみれば、そのような心配は杞憂に終わった。それどころか、J1同士の試合では味わえないような心に響くものがあった。 なぜだろうか。おそらくこの試合はFC東京、京都ともに、タイトルを取りにいったからだろう。FC東京は来シーズン、戦いの場をJ1に移すが、この試合まで