【室矢英樹】原子力規制委員会は近く、日本原子力研究開発機構に対し、原子炉等規制法に基づき、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の使用停止を命じる方針を固めた。内規に違反し、1万個近い機器の点検を怠っていた問題を重くみた。期限はつけず、安全管理体制を全面的に見直すまで運転再開を認めない。 もんじゅは2010年8月に核燃料交換装置が落下したトラブル以降、再開しないままになっている。使用停止処分は長期化するとみられ、同機構が目指す今年度中の運転再開は不可能となり、核燃料サイクル政策に与える影響は大きい。 もんじゅをめぐっては1997年9月、ナトリウム漏れ事故の虚偽報告で国が1年間の運転停止を命じているが、使用停止命令に踏み込むのは初めて。これにより、運転の前段階となる原子炉起動に必要な核燃料の交換や制御棒の動作、格納容器の密閉性などの確認作業が禁じられ、運転再開の準備ができなくなる。