東京五輪の開催にあたり、ジェンダーや差別、日本社会の様々な人権問題が浮き彫りになってきた。今回の五輪で高らかに掲げられている「ダイバーシティ&インクルージョン」は今、果たしてどこまで中身の伴う言葉となっているだろうか。今年6月、都内ではこの「ダイバーシティ」とは真逆の様相をなす事件が起きた。 弁護士の西山温子さんによると、東京都内に住む南アジア出身のムスリムの40代女性が、ヒジャブを着用し、近所の公園で3歳の長女を遊ばせていたところ、突然園内にいた男性から「息子が蹴られた」と抗議を受けたという。女性は長女から目を離さず見ており、「長女は蹴っていない」と主張したものの、男性から「外人」「在留カード出せ」などと詰め寄られた。その後、男性の通報で警視庁の警察官6人が駆けつけたが、日本語でのコミュニケーションがほとんどできない女性に対し、「本当に日本語しゃべれねえのか?」などと発言。公園での聞き取