一、事件の舞台は、孤島なり、吹雪の山荘なり、悪天候によって当地へ至るルートが切断された「閉鎖空間」である。すなわち事件発生後は、上映開始後に扉を施錠される映画館のようなもので、登場人物の出入りは許されず、許されるなら警察も排除されるので、先進の科学捜査のメスが入る余地はない。したがって、昔ながらの論理思考によって不明の犯人を推理する必然性が保証される。 二、事件は、施錠可能の西洋式ドアが付いた各部屋を持つ、プライヴァシー重視型の人口構築物内、もしくはその周辺である。 三、ここに居住、もしくは招かれた人々は、小説の冒頭で、全員がきちんと読者に紹介される。この紹介にも確立したルールがあり、若者が老人に変装しているような人物は、「老人」と描写してはならない。むろん犯人は必ずこの中におり、これらの人々は、ひと癖ありそうな、怪しげな住人たちであることが望ましい。 四、いよいよ事件が起こるが、これは血
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