福島県会津若松市の東山温泉で、荒廃し、倒壊の危険が生じていた元旅館が近く取り壊されることになった。市が所有者から土地と建物の寄付を受け、1千万円を優に超すと見られる解体・撤去費用は、川をはさんで向かい側にある旅館「新滝」を経営する株式会社くつろぎ宿が負担する。 撤去されるのは、温泉街の中心付近で、川沿いの傾斜地に立つ旧「高橋館」。1876(明治9)年に建てられた後、増築を重ねた地上3階地下1階、延べ床面積約870平方メートルの木造の建物だ。 屋根の一部は崩れ、外壁もゆがんでいて、前の道路には「倒壊の危険」を告げる看板が立てられている。 5年前に旅館を休業してから、県や市は所有者に対して改善を求めていたが、話し合いは難航。雪が積もるたびに、建物の破損が進む状況が続いていた。 くつろぎ宿の深田智之社長によると、川の向こうに荒廃した建物が見える風景に、宿泊客などから「こんな景観を見に来たわけじゃ