都会の埠頭と、夕日とサックス、そして黒いショートプレミアム。条件が揃い過ぎたかもしれない。菊地成孔氏が即興でサックスを奏でると、晴海埠頭もマンハッタンのように見えてしまう。グレイッシュな埠頭の気配に、黒いトヨタ ブレイドがクールに調和する。日が傾くほどに、マイカ塗装されたボディが、しっとりと光の粒子を際立たせる。使い古されたサックスの渋い真鍮色が温もりを感じさせるのとは対照的に、トヨタ ブレイドのボディは、どこまでもクールに夕景に響く。 「今日の晴海埠頭はしん、としてますね。サックスの音とクルマがくわわると、なんだか’80Sっぽい雰囲気で。まぁ、街は不思議なもので、都会の埠頭はどこだってマンハッタンのように見えてしまうし、新宿から見える代々木の大きなビル、あれはエンパイアステートみたいでしょ。いろいろなものに見えてしまう」 シャッターを切るあいだ、おそらく1時間近く、菊地氏はずっとサックス