フィルタリングについて立論するに当たって教育関係者の意見も読んでみようと紀伊国屋で探したのだが、なかなかいい本がみつからない。ゲーム脳系のトンデモ本は勘弁だし、もうちょっとコンピュータに対して充分に理解のある先生による、教育現場の実感に即した本がないかなと探していたら本書をみつけた。 本書は日本のコンピュータ教育に於けるパイオニアのひとりでアラン・ケイとも親交を持つ著者が、自身の教育経験も踏まえて子供がPCやネットに没入することの危険性を説く。PCやネットを従来型の授業の教材として使うのではなく子供たちを触発して潜在能力を引き出そうとする姿勢など共感できる点が多い。 その著者が一方で子供の頭が柔らかいうちにネットを通じたコミュニケーションから対人関係を学ぶとトラブルが起きやすいと警告する。幼少期に対人コミュニケーションを学ぶ場合、記号としての言葉だけでなく、表情や態度など様々なフィードバッ