大相撲夏場所の千秋楽を終え、車で国技館をあとにする琴光喜 =5月23日、両国国技館(撮影・山田俊介)(写真:産経新聞) 【疑惑の濁流】 国技の屋台骨が揺れている。大関琴光喜関(34)=本名・田宮啓司=が野球賭博にかかわり、元暴力団組員とみられる男に恐喝されていた疑いが浮上。追い打ちをかけるように、弟子の模範となるべき親方の手配した大相撲の特別観覧席が組員に渡っていたことも判明した。ともに暴力団との直接的な関与を否定しているが、暴力団排除を掲げる警察当局は2つの“事件”に大きな関心を寄せる。角界と暴力団の関係は歴史があるとの指摘もあり、不祥事続きの角界は再び、土俵際に立たされた。(伊藤弘一郎、内藤慎二) [フォト]ここに暴力団が大挙して…昨年の名古屋場所の土俵周辺 ■数週間前から情報を把握していた警視庁 5月22日午後6時すぎ。身長181センチ、体重159キロの男は東京・桜田門の警視