生活に困窮し、税金や保険料を払えない人に紛れて、支払い能力があるのに「払わない人々」が増えている。そんな「払わない人々」の象徴が、数年前から社会問題となっている「給食費未納者」だ。 都内の小学校に兄妹を通わせる30代の父親はいう。 「義務教育ですから授業料はタダじゃないですか。それなのに給食費だけよこせというのは、おかしな話ですよね。住民税はきちんと払っているのだから、足りないならムダな公共事業を減らして、そちらで賄うべきじゃないでしょうか」 給食費の支払いを求める督促状を前にしても顔色を変えず独自の論理を展開する姿を見ると、もはやモラルも互助精神も日本社会から消え失せたのかと暗い気持ちになる。 ※週刊ポスト2012年4月20日号