横尾忠則全ポスター 作者:横尾 忠則国書刊行会Amazon 任期の切れた朝日新聞の書評委員だけれど、役得といえば本がたくさんもらえて読めることとお弁当に加えて、えらい委員たちの雑談が聞ける、というのがあった。 で、ある日、横尾忠則がたいへん憤っていた。仕掛かりのまま手放した作品があって、それがある美術館に展示されているんだけれど、そろそろそれを完成させたいと思ってその美術館に連絡したら、そんなことをされては困ると言われたんだって。美術館としては、その状態の作品としてお金を払って購入したんだし、それを改変するのはダメというわけ。 憤るといっても別に激怒ではなく、委員会席上のお笑い半分として横尾さんが披露した話しで、聞いていたぼくたちも、わっはっは、それは融通が利かないですねえ、と笑っておしまいだったんだが、いまやっている別の仕事でふとこの話を思い出したことですよ。 これは何なんだ、所有権の問
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