セルフレジ、自転車置き場、ネット銀行……客のミニバイトが始まっている 知らぬ間に仕事をさせられているというカラクリ 野菜さらだ コラムニスト/言語聴覚士 「セルフレジを使っていただきたいんですが……」 コロナ禍の自粛生活も2年目に突入した、とある朝、毎日のささやかな楽しみとなってきていたのは、朝の散歩の途中のコンビニでいただく1杯のコーヒーだった。そのコーヒーをいつものように買おうとしたところ、いつもとても優しい物言いの女性店長さんから冒頭のように声をかけられた。 「使っていただけないと、セルフレジの機械が撤去されてしまうんです……」と困惑されたお顔を見ると、「嫌だ」とはとても言えない。その店長さんには以前、それこそコーヒーマシンの近くに財布の入った──つまりは、免許証やクレジットカード、銀行カード一式が入った──バッグを置き忘れたときに、そのバッグを見つけて確保してもらったときの御恩があ