世界中で利用が進む生成AIだが、AIの学習用データは欧米の言語や文化的コンテンツが中心であり、ChatGPTの回答も英語圏とそれ以外で偏りが見られる。 こういった格差をなくすため、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、中低所得国の研究者やイノベーターを対象としたプロジェクト支援を進めている。 生成AIという大きな技術的進歩が、世界中のあらゆる場所で価値を生み出せるようになるには、こうした取り組みがもっと増える必要がある。 (小林 啓倫:経営コンサルタント) ChatGPTは「英語を話すリベラルな人」に優しい 今年8月、データ分析ソフトなどを手掛ける米企業Teradataから、グローバルで行われた生成AIに関するアンケート調査の結果が公表された。 IDCが実際の調査を担当し、「生成AIの可能性と現実」というタイトルで発表されたレポートによれば、調査対象となった企業の経営陣のうち89%が、生成AIが持