【北京=野口東秀、矢板明夫】2006年末にスタートした日中歴史共同研究の報告書が、予定より1年半遅れてようやく東京で24日に発表される見通しとなった。複数の日中関係筋が明らかにした。しかし、中国側の強い意向で、民主化運動を武力鎮圧した天安門事件(1989年)に関する記述を含む近現代史の部分は今回、発表されない可能性が高いという。中国国民の歴史についての感情を考慮、日中関係に波風を立てたくないとの考えとみられる。 発表されるのは、日中の文化交流などを盛り込んだ対立がほとんどない古代・中近世史が中心。近現代史部分も完成しているが、双方の見解や主張の対立が多く、調整がつかなかった。日本側関係者は「中国国民は歴史の解釈はひとつしかないとの認識がある。日本側の表記に中国国民が反発し、日中関係に波風を立てるのは避けたい」と説明した。 例えば、中国側は1937年に起きた南京事件の被害者の数を、中国側が主