[目次へ] 「ヘルメスよ、ハデスに我の名を告げよ」 イズミカズヨシ 彼らは波として生きているのである。ある一定の範囲に人格が形成され、人間でい う脳プロセスは無数の波の伝達によって行われるのだ。速い速度で波長形態を変遷さ せていくため、ガンマ線、X線をはじめありとあらゆる波長として人間に影響する。 時には色として、時には音として。 「アナタガタハ、タダ波長ノ乱レトシテ感知デキル・・・・と言っています」 ヘルメスの硬質な声が私の耳に感知された。私は興奮しきっていてこれからどう対 処していくべきか冷静に考慮できなかった。 第一次アンドリュー計画が行われたのは私の生まれる遥か昔、七千年前のことだっ た。その頃ようやく発展しだしてきたアンドロイド技術を利用して、ただ耐久性のみ に追求したおそろしく安価な宇宙船にアンドロイドを乗せ、各星系に向けて発射され た。もちろん地球外知的生命体の発見