ユーザビリティを評価する方法はユーザテストだけではありません。ユーザビリティエンジニアやユーザインターフェイスデザイナの知見に基づく評価(分析的手法)も役に立ちます。その中で最も有名なのはヤコブ・ニールセン博士の『ヒューリスティック評価法』でしょう。日本でもコンサルティング会社のサービスメニューには必ずヒューリスティック評価が入っていると思います。 ヒューリスティック評価ほど有名ではないのですが、実は、もう1つ強力な手法があります。それが『認知的ウォークスルー(Cognitive Walkthrough)』です。 手法の概要 そもそも「ウォークスルー」とは芝居の立ち稽古―衣装や舞台装置を使わない、普段着で台本を片手にした稽古―のことです。ユーザインターフェイスを“ウォークスルー”する場合も“台本(画面遷移図など)”に沿って分析していきます。その際に、ユーザの“認知”モデルの1つである「探査