ちょいと前、嫁と子供に別れを告げ、単身赴任を始めた頃の話。数年ぶりの1人暮らしに家電や布団は無く、小さなスーツケースに入れた依頼と寝袋だけの生活だった。 そんな生活を数週間経た後、ようやくパソコンと布団が手に入り、僕は退屈のあまりアニメに没頭するようになる。アニメの世界はとても素晴らしく、でてくる女の子は可愛い、声も可愛い、性格も良い、なにより現実にはないパラダイスがそこにあった。 アニメの世界にブサイクはない、きっと科学が発展して僕も入れるようになればきっとハンサムなキャラに変身できるに違いない。 なぜ今の時代に生まれたのだろう。僕の生きる時代は平成の今ではなく、ファンタジーが身近にある未来に生きるべきだったのだ。 そういえば子供の頃はよく妄想をしたものだ。空を飛べたら、サンタクロースがいたら、超能力が使えたら。いつから現実は夢も希望もない世界になってしまったのか。ファンタジーをどこに忘