気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 前回は、「事実報道」という言葉が引き起こす硬直性について考えた。これに続いて、報道における「演出」のあり方を議論してみたい。 テレビマンユニオン副会長・今野勉は『テレビの嘘を見破る』(新潮新書)で、以前は被害がなければ「演出」は許されるのではないかと考えていたと書いている。例えば誤った情報を与えられることで視聴者が害を被る、取材を受けた人が誤った情報を流されたために害を受ける、そして同業報道関係者が取材がしにくくなる、そうした被害が生じていなければその演出は許されるのではないかと。これだけも、報道は何が何でも事実報道のみに徹せよと望む風潮の中では相当にラディカルだ。 だが、今野は今はこの考え方をも捨て、「どこまで許されるか、という腰の引けた問