鹿児島県の離島、奄美大島にある飲食店。ここで月に1度のペースで勉強会が開かれている。参加しているのは主婦や若者ら約20人。コーヒー片手に軽食をつまみながらと和やかな雰囲気だが、講師のライターや編集者の話を聞く表情は真剣そのものだ。 個人が自宅などにいながら、文書作成やソフトウエアの開発、ロゴのデザインといった企業の仕事をインターネット経由で請け負う。ここ数年で、そんな「クラウドソーシング」の活用が広がっている。 Uターン・Iターン組が担い手に ランサーズ(東京都渋谷区)もクラウドソーシングを手掛ける企業の一社。同社は昨年、仕事の担い手となる地方の人材の発掘・育成事業を開始した。その一環として奄美市と共同で進めているのがこの「フリーランス寺子屋」だ。 寺子屋に参加する一人、柳原広子さんは奄美大島出身。高校を卒業して千葉県で就職後、外国人の夫と結婚し2人の子供に恵まれた。 長女の高校進学に併せ