菅直人新首相は鳩山由紀夫首相から「日米、日中、日韓をよろしく」と託されたが、日米の信頼回復や中国、北朝鮮への毅然(きぜん)とした対応など新政権の外交・安保課題は一刻の猶予も許されないものばかりだ。 日本を取り巻く安保環境はめまぐるしく動いている。首相指名から組閣まで4日間もかかるのは危機対応の認識が問われる。是正すべきだ。菅氏は優先順位と方向を早急に定め、鳩山政権で失われた国益の回復と国難の打開に全力を注いでもらいたい。 菅氏は「米国との信頼関係をしっかり維持しながら中国との関係も同様に重要視していく」と語った。米国、中国との関係が重要であるのはいうまでもない。だが、半世紀を超えて日本の安全を委ねてきた同盟関係と日中関係とではおのずから重要性が異なる。 この点を菅氏は明確に理解しているのか。間違っても、米中を同列に置くかのような言動を行った鳩山氏や小沢一郎幹事長らの二の舞いを演じてはなるま