大震災後初の終戦記念日に続いて、真珠湾攻撃70周年記念日(今年12月8日)が近づいている。 第二次世界大戦で、米国はドイツを主要な敵と見立て、対日戦はそのための手段だったと見る説があるが、19世紀からの歴史を考えるとそんなことは全く言えない。欧州戦線で米軍は「助っ人」を演じ切ったが、太平洋戦線では「主役」そのものだった。昭和14(1939)年まで、日本は米英一体とは必ずしも考えていなかったのに、あっという間に米国が正面の敵となった。かねて狙っていた標的に襲いかかる勢いだった。 ≪日本に対する戦意の根深く≫ 米国内にはドイツ系市民が多数いて、ドイツに対する米国の戦意の形成は大戦直前の短期間だったのに対し、日本に対する戦意の歴史は根が深く、ハワイ併合時(1898年)にすでにあり、日露戦争(1906年)後に露骨に明確になった。日系市民の存在は、ドイツ系と違って、米国内の敵意の発生の場、人種感情の