【ニューヨーク=中井大助】国連総会は20日、死刑廃止を視野に執行の停止を求める決議案を賛成多数で採択した。同様の決議は2007年以降に繰り返されてきたが、今回は過去最多の111カ国が賛成した。法的な拘束力はないとはいえ、日本を含め死刑がある国に国際的な圧力が高まっている現れだ。 投票結果は賛成111、反対41、棄権34。反対したのは日本のほか米国、中国、イラン、北朝鮮、シリアなど。同様の決議は07年の初採択の後、08年から1年おきに重ねられていた。前回の10年の賛成は107国だった。 決議案は、誤審によって死刑が適用された場合に取り返しがつかないことや、死刑による犯罪抑止の確証がない点などを指摘。死刑制度がある国に対し、廃止を視野に執行のモラトリアム(猶予期間)を設けることや、死刑を適用する罪名を減らすことなどを求めている。 関連記事「死刑容認85%」ホント? 廃止議連が世論調査批判(