「たくさんの選択肢から適切な対策を選ぶことが難しい」。産業技術総合研究所セキュアシステム研究部門制御システムセキュリティ研究グループ長の古原和邦氏は、2014年4月17日に始まった自動車セキュリティー関連のシンポジウム「escar Asia 2014」でこう指摘した。多くの関係者が頭を抱える問題だ。 産総研が提案する自動車セキュリティーの検討法 古原氏によれば、サイバー攻撃の実行者の関心はPCから非PCの世界に移行しており、自動車もその1つである。「インパクトが大きい」「対策が十分ではない」「セキュリティーの仕組みやアルゴリズムをいったん暴いてしまえば侵入が容易」などの点が狙われる理由になっている。さらに、攻撃の動機も、従来は興味本位によるものだったが、昨今はテロや産業スパイ、恐喝といた実利を意識したものが増えている。 自動車のサイバー攻撃に対して、あらゆる対策を採用することは、コストや互