本連載では、方法論としてのデザイン思考をどうやって企業の具体的なイノベーションに結び付けるかを学んでいく。前回の記事では、イノベーション戦略を構築する際の重要な考え方として、NCS理論を紹介した。今回は、米マイクロソフトの事例で、NCS理論を具体的に解説する。 前回はイノベーション戦略を構築する際の重要な考え方として、NCS(Nature - Culture – Structure)理論を取り上げました。社外の環境(ネイチャー)に対する理解に加え、社内の環境である組織文化(カルチャー)と組織構造(ストラクチャー)の重要性を解説しました。 今回はNCS理論から、どのようにイノベーション戦略を実行していくのかを、米マイクロソフトの事例を交えながら紹介します。前回と同様にイノベーションにおける3つの活動単位、すなわち1.社会/業界の理解による立ち位置の設定(マクロレベル)、2.戦略構築と実行のた