個人的印象だが、ネット上での匿名発言の劣化がさらに進んでいるように見える。 攻撃的なコメントが一層断定的になり、かつ非論理的になり、口調が暴力的になってきている。 これについては、前に「情報の階層化」という論点を提示したことがある。 ちょっと長い話になる。 かつてマスメディアが言論の場を実効支配していた時代があった。 讀賣新聞1400万部、朝日新聞800万部、「紅白歌合戦」の視聴率が80%だった時代の話である。 その頃の日本人は子どもも大人も、男も女も、知識人も労働者も、「だいたい同じような情報」を共有することができた。 政治的意見にしても、全国紙の社説のどれかに「自分といちばん近いもの」を探し出して、とりあえずそれに同調することができた。 「国論を二分する」というような劇的な国民的亀裂は60年安保から後は見ることができない。 国民のほとんどはは、朝日から産経まで、どれかの新聞の社説を「口
『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 64 回 フォロワー数で変わるツイッターのメディア性 月刊『アルコムワールド』 2011/07号 要約:ツイッターの持つメディアの特性は、フォロワー数によってだんだん変わる。それに自覚的でない人の多くは、自分のおかれた環境にまったく鈍感なために愚かしい醜態をさらすことが多い。が、求める水準のメディアにとどめるための作業もむずかしい。 ある人の書くものでも、あるいはツイッターのツイートでもいいけれど、長いこと見ていると、ときどきその人がだんだん——または突然——おかしくなって、ぎょっとすることがある。今回の震災と原発事故では特に、ツイッターでそんな光景が見られた。それまで普通あるいは高めの見識を持つと思っていた人が、いきなりわけのわからないことを言い、デマに踊らされ、それをたしなめられると逆ギレして相手を罵り、過去の発言との矛盾を指摘されると変な言い
近藤社長 はてなが7月15日に設立10周年を迎えた。たった3人の社員でスタートし、現在は48人に。アルバイトも含めると100人近いスタッフを抱える大所帯となった。一方、新しいサービスのネタを考えるのが「大好き」と話す近藤淳也社長の少年のような笑顔は、創業当時から何も変わっていなさそうだ。 「10年を振り返ってほしい」とお願いしたら、「10年といっても4つの時期があったな~」としみじみ語り始めた。京都で産声を上げ、東京、シリコンバレーを経て、2008年に再び京都へ。「移転するたびに組織は強くなってきた」という。では、これからの10年はどうなっていくのか――近藤社長に聞いた。 回り道もあったけど……いよいよ攻めに 創業後3年間は受託開発をしていたはてな。「他社からお金をもらって自社の儲からないサービスを運営している状態だった」と振り返る。東京に移転したのは04年で、社員が20人ほどになったころ
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