文学的守護霊 ここ二ヵ月間の執筆量が通例の半分を下回っている理由は、書きたいことがないためではなく、書きたいことが多すぎるからだ。夜空を流れる一筋の星は美しいが、満天の星の全てが銘々で思うままに飛び交い始めたならもはや収拾のつかない事態になる。ここのところは、それに悩まされている。書きたいことを一つ捕まえて綴っていくことでさえ難しいというのに、あれもこれも捕まえたいというどころではない。あれもこれも捕まえなければ表現として失敗する、というところで私は右往左往し、ある星は取り逃し、ある星には逃げられ、焦っては躓いて転倒し、両腕に抱えていたなけなしの星すらもどこかへ散ってしまった。言葉が網だとすれば、悪いのは唐突に降って湧いた大量の星なのだろうか、それとも荒っぽい目を持つ網目なのだろうか。ともかく私は今日も惨敗してここへ逃げてきたのだ。 一人称から非人称に語りを改めて書き始め、はじめの頃にあっ