著者 Virginia Woolf (ヴァージニア・ウルフ) [1882-1941] イギリスの作家。モダニズム文学の旗手。 『灯台へ』は、我が人生の書の一つ。まだまだ若造の私ですが、残りの人生にこれを超える作品に出会うことはないだろうと思っています。 感想を一言でいえば、名作がこんなに面白くていいのだろうか、といったところです。娯楽作品が愉快なのは当然ですが、名作は難解であり眉間に皺を寄せて読まねばならないとする権威主義的な信仰が、悪意とは無縁ながら慣習の呪術的性質に則って我々の中に息づいているものと決めつけさせていただくとして、この信仰を転覆させる圧倒的小説力が本書には備わっております。なんといっていいものか……「名作を読めてアタシ、シアワセ」と鼻血を垂れ流しそうな興奮に見舞われるのです。*1 「意識の流れ」と呼ばれる手法により語られるウルフの世界の、なんと鮮やかなこと!*2 人が他人
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