役割語からみた日本語とキャラ 金水 敏 1.この発表の目的 発表者は、 「キャラ語尾」 「キャラコピュラ」 「キャラ助詞」 という用語以外では 「キャラ」 という用語は使わない。使ったとしても、 「キャラクター」と対立する概念としては用いな い。本発表では、筆者の考える「役割語」と「キャラクター」の関係について論じ、また 定延 (2011) の「発話キャラクタ」との関連についても述べる。 2. 役割語の定義 金水 (2003) では、役割語を次のように定義している。 ある特定の言葉遣い(語彙・語法・言い回し・イントネーション等)を聞くと特定 の人物像(年齢、性別、職業、階層、時代、容姿・風貌、性格等)を思い浮かべるこ とができるとき、あるいはある特定の人物像を提示されると、その人物がいかにも使 用しそうな言葉遣いを思い浮かべることができるとき、その言葉遣いを「役割語」と 呼ぶ。 (金水 2