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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (84)

  • 【無料公開】『サド侯爵の呪い』プロローグ試し読み

    『サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命』の発売を記念して、プロローグの試し読みを公開します。マルキ・ド・サドの問題作『ソドムの百二十日』の直筆原稿の行方、サドとその子孫の運命、直筆原稿市場にかかわる個性的な面々が織りなす、まるでミステリー小説映画のような実話です。 プロローグ 塔の囚人 一七八五年十月二十二日 時は十八世紀末期のパリ、瓦ぶきの屋根の下へ日が沈む頃、バスティーユ監獄の自由の塔の独房で、ひとりの男が背を曲げ机におおいかぶさるようにして執筆を始めた。 ルイ十四世の御治世において盛んに行うしかなかった数々の大戦争は、国の財政と国民の財布を圧迫する一方、おびただしい数のヒルのような人間を潤していた事実をあぶり出した。彼らは世の災いを鎮めるどころか、刺激して利用してやろうと常に身を潜めて狙っている……ルイ十四世の時代が終焉(しゅうえん)に向かう頃……その

    【無料公開】『サド侯爵の呪い』プロローグ試し読み
  • 第2回 書物に狂わされた人々──装丁への妄執、自動筆記、行方不明の原稿

    『サド侯爵の呪い』には、ギュスターヴ・フローベールの描くような愛書狂を魅了するさまざまな書物が登場する。愛書狂が求める書物の多くは、驚くほど美しい。 たとえば小口絵というものがある。分厚いの側面の角度を調節すると、絵が現れるという仕掛けがほどこされているのだ。動画もみつかるので(Youtube「A Hidden Art Form You’ll Flip For」など)、機会があればぜひみてほしい。 もっと奇妙なところでは、人間の皮膚で装丁した書物がある。『サド侯爵の呪い』の登場人物のひとり、フレデリック・ハンキーは個人で大量のエロティカのを英国に持ちこんでいた蒐集家だ。彼の厳選した数少ないエロティックなのコレクションには、性や死や拷問を想起させる露骨な装丁が施されている。彼は人間の皮膚で装丁したいと考え、できるなら生きている若い女性から剥いだ皮膚を求めていたという。 実際に人皮装丁

    第2回 書物に狂わされた人々──装丁への妄執、自動筆記、行方不明の原稿
  • 第1回 サドを取り巻く女性たち──「閣下」と呼ばれた義母、最後通牒をつきつけた妻

    『サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命』は、手稿の受難、サド自身の波乱の生涯、投機詐欺という3の糸がからみあうミステリー小説のようなノンフィクションだ。 さまざまなエピソードが盛り込まれており、翻訳中は調べものが多かった。ただおかげで、翻訳書には入りきらない興味深い話がたくさんみつかった。今回、それらをご紹介いただく機会をいただいたので、全3回でお届けしたいと思う。 第1回は、サドを取り巻く女性たちについてお話しさせてください。このには、貴族の出であるサドのや義母から娼婦まで、さまざまな立場の女性が登場する。 まず注目したいのは、サドのルネ=ペラジの母マリー=マドレーヌ・ド・モントルイユ。モントルイユ家でおとなしい夫を差し置いて決定権を持ち、「閣下(プレジデント)」の呼び名で知られていた女性だ。 1768年にサドがアルクイユ事件(物乞いの女性を暴行した

    第1回 サドを取り巻く女性たち──「閣下」と呼ばれた義母、最後通牒をつきつけた妻
  • 経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究

    女性アスリートは男性に比べて前十字靱帯断裂などを起こしやすいが、経口避妊薬を服用することで、けがのリスクを下げられるかもしれない。(PHOTOGRAPH BY JODI COBB, NAT GEO IMAGE COLLECTION) この数十年でスポーツをする女性が増えたことで、女性アスリートのけがは男性アスリートとは違う場合があるという認識が広まっている。けがの種類によっては、負傷のしやすさにホルモンが関係している可能性を示す証拠が集まりつつあるからだ。 このほど、経口避妊薬を飲んでいる女性は、飲んでいない女性に比べて、下肢(脚と足)の筋肉と腱のけがをする確率が約8割も下がることを示す論文が、2024年3月に医学誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」に発表された。 「多くの女性アスリートが何らかの避妊薬を使っています」と、けがの予防と回復の性

    経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究
  • 「クジラ語」解読に光、「音声のイロハ」をついに発見、研究

    ドミニカ共和国近海を泳ぐマッコウクジラの親子。(PHOTOGRAPH BY AMANDA COTTON) マッコウクジラの「会話」がどれほど複雑であるかを明らかにする全く新しい方法が、5月7日付で学術誌「Nature Communications」に発表された。マッコウクジラの発するクリック音には、コーダと呼ばれる通常2秒以内の反復可能なパターンが少なくとも150あることが知られている。これまではコーダを一つひとつ分析していたが、追加の音やコーダとコーダの関連性、リズムやテンポなど新たな要素に着目したところ、「マッコウクジラの音声のイロハ(アルファベット)」を初めて明らかにした。クジラたちが何を話しているのかまではまだわからないが、この発見がそれを知る足がかりになる可能性がある。 「マッコウクジラのコミュニケーションシステムの基礎的な構成要素を理解するうえで、極めて重要な第一歩です」と、米

    「クジラ語」解読に光、「音声のイロハ」をついに発見、研究
  • ザトウクジラの交尾を初めて確認、写真も、ただしオス同士

    2頭のオスが交尾した理由は不明だが、「ザトウクジラの交尾については、世界中どこを探しても目撃例も記録もありませんでした。ですからこれは、非常に特別で驚くべき遭遇だったのです」と専門家は言う。(PHOTOGRAPH BY LYLE KRANNICHFELD AND BRANDI ROMANO) ザトウクジラ(Megaptera novaeangliae)のように巨大でカリスマ性のある生物のことなど、とっくに調べ尽くされていると思われるかもしれない。しかし今回、驚くべき新たな発見がもたらされた。ザトウクジラの交尾が初めて観察されたのだ。それだけではない。海洋哺乳類科学の専門誌「Marine Mammal Science」に2月27日付けで発表された研究によると、交尾をしていた2頭はどちらもオスだったという。(参考記事:「【動画】ザトウクジラの出産の一部始終、科学者が初の観察に成功」) この発見

    ザトウクジラの交尾を初めて確認、写真も、ただしオス同士
  • 古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠

    スキタイ人の墓から出土した2400年前の皮や毛皮の断片47個のうち、少なくとも2つが人間のものだったことがわかった。(PHOTOGRAPH COURTESY MARINA DARAGAN) 古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、2400年以上前に、騎馬遊牧民のスキタイ人は人間の皮を使って矢筒を作ると書き残した。これまで疑問視されることが多かった記述だが、このたび、それが事実だったことが確認された。2023年12月13日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表された論文には、「この調査結果によって、ヘロドトスのおそろしい主張が裏付けられたものと考える」とある。 ヘロドトスによると、スキタイ人は最初に殺した人間の血を飲んだり、頭皮を集めたりしていた。「死んだ敵の右手から、皮や爪などあらゆるものを集め、矢筒のカバーにする者も多い。人間の皮は厚く、光沢があるので、あらゆる動物の皮の中で一番明るく白いとも

    古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠
  • ヒアリもアライグマもやってくる、外来種は定着すれば「負け戦」

    ヒアリ、ツマアカスズメバチ、アライグマ、マダニ――生態系や人の暮らしに影響を与える外来種が次々と現れ、現場は日々その対策に追われている。2022年12月の国連第15回生物多様性条約締約国会議(COP15)で扱われた「ポスト2020生物多様性枠組」では、外来種対策のターゲット目標が掲げられた。 日の外来種対策の第一人者で「外来種バスター」の異名を持つ、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇公一(ごか・こういち)室長に、ヒアリをはじめとした海外からの侵入が続く外来種と人間社会について話を聞いた。 コロナ禍でも次々に見つかるヒアリ ―ヒアリが2017年以降、海外からのコンテナで次々に発見されて話題になりました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですっかり忘れかけていましたが、6年以上が経った現在はどのような状況でしょうか。 コロナ禍でも物流はあるわけで、ヒアリがコンテナで入っ

    ヒアリもアライグマもやってくる、外来種は定着すれば「負け戦」
  • お酒が女性をかつてないほど死なせている、男性に迫る勢い

    米国政府は、お酒を飲むなら女性の場合1日1杯までとするよう勧めているが、健康という観点からは、それ以下にするか、または全く飲まない方がいいと専門家は指摘する。(PHOTOGRAPH BY ARTUR WIDAK, NURPHOTO/GETTY IMAGES) 米フロリダ州タンパ在住の起業家でブロガーのジャスミン・シャルボニエさん(35歳)は、学生の頃から酒の量が多かった。30代前半にはテキーラ入りカクテルを1日に8杯飲む日が週に数回はあったという。昨年、酒を断とうとしたところ、離脱症状(禁断症状)に陥ってしまい、その時初めて事の重大さに気付いた。 アルコール関連の疾患で死亡する確率はいまだに男性の方が高いが、最近は男女の差が縮まっていることが最新の研究で示されている。女性も男性と同じように酒を飲むようになったためだ。 2021年の米国政府による調査で、過去1カ月の間にアルコールを摂取したと

    お酒が女性をかつてないほど死なせている、男性に迫る勢い
  • 砂漠が一面の花畑になる「スーパーブルーム」、2023年は起きるか

    「スーパーブルーム」は、米国南西部の乾燥地帯で野草がいっせいに開花する伝説的な現象だ。先住民たちは昔から、ユリやヒマワリ、シソ科のチアなどが大量に開花するこの現象を祝ってきた。1774年には、スペイン人開拓者のフアン・バウティスタ・デ・アンザが、「花々に覆われた草原が、海のすぐ近くまで迫っている」と記している。 今日では、スーパーブルームが見られる場所は、手つかずの自然が残っているカリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州の広大な砂漠に限られている。そのうえ、この現象は十分に雨が降った次の年にしか見られない。気候変動の時代には、この地域に多くの雨が降ることはまれになっている。

    砂漠が一面の花畑になる「スーパーブルーム」、2023年は起きるか
  • 【動画】かわいい! イリナキウサギの超希少映像

    ウサギ、ハムスター、そして、ぬいぐるみのテディベアにも勝るかわいらしさ。それが、イリナキウサギだ。 中国北西部の天山山脈に固有のイリナキウサギ(Ochotona iliensis)は、1983年に発見された。思わず歓声を上げたくなるその姿は、発見以来、数えるほどしか目撃されていない。そんな中、カメラトラップ(自動撮影装置)による映像が新たに撮影され、謎の多い生きものの暮らしを垣間見せてくれている。(参考記事:「【動画】謎多き野生ネコ、中国の森で撮影に成功」) イリナキウサギは最大でも体長20センチほど。生息地である岩場の隅や割れ目をすみかにしているため、探しに行ってもなかなか見つけられない。しかも、社交的とは言えない性格と保護色の毛が加わるわけで、目撃例がほとんどなかったのは当然だ。 2014年のこと。新疆生態・地理研究所の科学者で、イリナキウサギを発見したリー・ウェイドン氏が岩ばかりの一

    【動画】かわいい! イリナキウサギの超希少映像
    florentine
    florentine 2023/01/04
    かわいい、ブクマした
  • 第65回 男性にも読んでほしい、女性ならではの睡眠障害

    前回のテーマは睡眠時間の男女差であった。日は先進国の中では珍しく女性の睡眠時間が男性よりも短く、とりわけ有職女性でその傾向が著しいことを紹介した。今回は女性ならではの睡眠障害を取り上げる。 前回紹介したように、健康時の必要睡眠時間や睡眠構造(睡眠の深さや各睡眠段階の比率)には男女間で大きな差異はない。それにもかかわらず、多くの睡眠障害では有病率に男女差がある。例えば、睡眠時無呼吸症候群や夢の内容そのままに体が動いてしまうレム睡眠行動障害は男性に多い。逆に、不眠症、足のほてりやむずむず感で眠れなくなるレストレスレッグス症候群、眠りながらがっつりべてもまったく覚えていない睡眠関連摂障害などは女性に多い。 睡眠障害の有病率に男女差が生じるのは、肥満度やストレスへの抵抗性、自律神経やホルモン分泌機能など睡眠調節に関わる心身機能の障害の受けやすさ(脆弱性)に男女で違いがあるからだ。そのほか、育

    第65回 男性にも読んでほしい、女性ならではの睡眠障害
  • 更年期の苦しい「ホットフラッシュ」、待望の新薬いよいよ承認か

    脳の視床下部(茶色)にある「KNDy(キャンディ)ニューロン」という神経細胞が、更年期障害の症状である「ホットフラッシュ」の原因になっていることがわかった。更年期の女性が経験するホットフラッシュは、1日数回起こり、30秒から5分ほど続く。(ILLUSTRATION BY MY BOX, ALAMY STOCK PHOTO) 突然ののぼせやほてり、発汗、動悸、めまい、疲労、不安……。更年期を迎えた女性のほとんどは、こうした「ホットフラッシュ」をよく知っているはずだ。女性ホルモンであるエストロゲンのレベルが急激に低下して、月経や生殖機能が停止する更年期の女性のうち、約80%がホットフラッシュを経験しているという報告もある。 ホットフラッシュは体が熱を冷やすときの反応に似ているが、体温は実際に上がっているわけでなく、通常のままだ。名前からは快活な印象を受けるかもしれないが、実態はとても苦しい。こ

    更年期の苦しい「ホットフラッシュ」、待望の新薬いよいよ承認か
  • オオカミを群れのリーダーにさせる寄生虫、研究で明らかに

    寄生虫がオオカミの行動に影響を与えていることを示す研究が初めて発表された。(PHOTOGRAPH BY SHUTTERSTOCK, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) オオカミに独立を決意させたり、群れのリーダーであることを主張させたりする要因は何だろうか。この疑問は長年、科学者の興味を引いてきた。2022年11月24日付けで学術誌「Communications Biology」に発表された最新の研究によれば、寄生虫トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)に感染したオオカミは、感染していない個体に比べて、群れのトップに立つ可能性が高いという。 この発見は、何が動物の行動に影響を与えるかについて、より幅広く考えることを迫るものだと、研究に参加したキラ・カシディー氏は考えている。氏は米モンタナ州の非営利団体(NPO)イエローストーン・ウルフ・プロジェクトの野

    オオカミを群れのリーダーにさせる寄生虫、研究で明らかに
  • 4回目のコロナワクチン接種、どうすべき? 専門家に聞いた

    2022年4月5日火曜日、クリニックで新型コロナワクチンのブースター接種を受ける研修医。(PHOTOGRAPH BY HANNAH BEIER, BLOOMBERG/GETTY IMAGES) 免疫を回避する新たなオミクロン株のBA.4とBA.5系統が支配的になる中、新型コロナウイルス感染症は、今も米国各地で多くの人々を苦しめている。年齢が高い人ほど、現行のワクチンによる予防効果が下がることを懸念する専門家らは、ブースター接種を受けるよう推奨している。 現行ワクチンのブースター接種の効果はすでに証明されている。2021年の冬に米国で流行した従来のオミクロン株BA.1系統による重症化例は、ブースター接種のおかげで大きく減った。6月28日に行われた米品医薬品局(FDA)の独立委員会で共有されたデータは、ブースター接種が今でも、以前と同程度とまではいかずとも、BA.4とBA.5系統による重症化

    4回目のコロナワクチン接種、どうすべき? 専門家に聞いた
  • マヤ人とは何者だったのか? 古代文明の謎を解き明かす

    メキシコ、パレンケの「碑文の神殿」で発見されたマヤ戦士の頭部像。この神殿は7世紀の君主キニチ・ハナーブ・パカルの墓で、最大かつ最も保存状態が良いマヤのピラミッドのひとつだ。(DE AGOSTINI VIA GETTY IMAGES) 長く忘れられていた文明の痕跡は、中米ユカタン半島のあちこちに残されていた。スペイン植民地時代の修道院の地下にも、道路の下にも。その大半は草木に覆われ、ジャングルに埋もれていた。だが1830〜40年代、ユカタン半島を詳細に調査した英国人と米国人の探検家はすぐに、これらの謎に満ちた遺跡が考古学上の重要な宝であることを確信した。 発見された遺跡や工芸品は放棄されて荒廃しており、寺院やピラミッド、芸術品や文字といったそれらの役割は、当時はほとんど不明だった。それでも、米国人探検家のジョン・ロイド・スティーブンスは1841年に、これらは同一集団の人々が生み出したもののよ

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  • 世界の終わりを記した「ヨハネの黙示録注解」、中世スペインの不安を反映 画像と写真20点

    「黙示録」という言葉を聞くと、地球の破滅、世界の終わりを連想する。昔のヨーロッパのキリスト教徒は、西暦1000年が終末の時であると信じていた。そして、その時が近づくにつれて、この世の終わりに起こるであろうことを思い描き、その幻にとらわれた。 特に8世紀、今のスペインがあるイベリア半島のキリスト教徒は、激動の時代にもまれてその思いをますます強めていた。修道士のベアトゥスもまた、こうした変化を目にして、新約聖書の最後の書である「ヨハネの黙示録」の注解書を書いた。黙示録には、世界がどのようにして終わりを迎えるかが克明に記されている。ベアトゥスの注解書はヨーロッパ中に広まり、その後、色彩豊かな挿絵の入った中世を代表する写が数多く作られた。

    世界の終わりを記した「ヨハネの黙示録注解」、中世スペインの不安を反映 画像と写真20点
    florentine
    florentine 2022/01/24
    ゼミ講読ベアトゥス本だった
  • 研究室に行ってみた。東京大学 認知神経科学・実験心理学 四本裕子

    目で見ているものが「実際」とは違って見えてしまうことを指す「錯視」。この錯視を含め、見たり聞いたり考えたりしているときの脳の活動を測定して、「時間の知覚」「多感覚統合」「脳の性差」など、人間の内なる活動のメカニズムを探る四裕子先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)

    研究室に行ってみた。東京大学 認知神経科学・実験心理学 四本裕子
  • 謎だった家畜ウマの起源、ついに特定

    内モンゴル自治区西ウジムチン旗にある繁殖センターの文化紹介イベントで疾走する馬の群れ (PHOTOGRAPH BY PENG YUAN/XINHUA VIA GETTY) 数千年前から、ウマは世界中の社会で重要な役割を果たしてきた。古代から耕作に力を貸し、人々を短い時間で遠くへと運び、戦場では兵士に闘いにおける優位性をもたらした。こうしたことを分かっていても、では家畜ウマはどこから来たのかというシンプルな疑問には、専門家はずっと頭を悩ませてきた。 最近、2つの大陸の100人以上の専門家の尽力で、その謎がようやく解けたようだ。家畜ウマのルーツは「ロシア南部」にあるという答えにたどりついたのだ。 アナトリア半島(小アジア)、イベリア半島、ユーラシア大陸のステップ地帯西部という3つの地域のいずれかが家畜ウマのルーツとして有望視され論議されてきたが、今回の発見で、その起源は、ユーラシアステップ地帯

    謎だった家畜ウマの起源、ついに特定
  • なぜデルタ株は脅威なのか、あらためてコロナ感染対策の徹底を

    2021年7月30日金曜日、米カリフォルニア州トーランスのリトル・カンパニー・オブ・メアリー・メディカル・センターで、新型コロナ患者20人に付き添う看護師たち。ここの患者の大半はワクチンを接種していない。(PHOTOGRAPH BY FRANCINE ORR, LOS ANGELES TIMES VIA GETTY) 米国疾病対策センター(CDC)によれば、デルタ株は既知の呼吸器系ウイルスの中でも感染力が非常に強く、ほかの変異株よりも重症化を引き起こしやすいと考えられ、抗体を回避する能力も高い。米国が新型コロナの第4波と向き合う中、ずっと懸念されていたデルタ株(インドで初確認)の危険度について、多くのことがわかり始めている。 米国では、ソーシャルディスタンスやマスクのガイドラインが緩められたり、一部地域でワクチン接種が進んでいなかったりするせいで、デルタ株が急速に主流となった。CDCのデー

    なぜデルタ株は脅威なのか、あらためてコロナ感染対策の徹底を