茶人・千利休が作った現存する唯一の茶室とされる妙喜庵(みょうきあん、京都)の国宝「待庵(たいあん)」を、ものつくり大学(行田市)の学生らが原寸での再現に挑んでいる。森美術館(東京・六本木ヒルズ)からの依頼を受けて制作。25日から同館で始まる「建築の日本展」で展示される。 待庵は1582(天正10)年、千利休が豊臣秀吉の命により作ったとされる。如庵(じょあん)(愛知県犬山市)、密庵(みったん)(京都・大徳寺)とともに国宝三茶室の一つ。2畳の茶室や出入り口のにじり口が設けられ、同大建設学科の岡田公彦准教授は「人間のスケールに合わせ、自然の材料を自然のまま生かしながらつくった建築」と話す。 「待庵プロジェクト」と題して、作業は昨年8月から始まり、同大の学生や数寄屋大工、左官職人、教職員ら総勢約50人で取り組んでいる。設計、木工、建具、仕上げ、土壁、金物の6班が分担している。 400年以上前の工法