熊本地震で一部崩落した八代城跡(八代市松江城町)の石垣は、江戸時代にも何らかの原因で積み直された可能性があることが、修復工事に伴う市の調査で分かった。基礎にあたる「根石」は通常、隙間なく詰められるが、積み直されたとみられる部分は隙間だらけで、作業の粗さが目立つ。なぜなのか-。記録はなく、謎に包まれている。 八代城跡の石垣は、2016年4月の熊本地震で廊下橋東側角の北面と東面がそれぞれ幅3メートル、高さ3メートルにわたって崩落。同年9~11月の調査で堀の水を抜いたところ、崩落した石垣の下部に隙間だらけの根石が現れた。地震で動いたような形跡は見られないが、根石の隙間には小石が十分に詰められておらず、大ざっぱな作業の様子がうかがえる。 市文化振興課の主任学芸員、山内淳司さん(46)は「他の場所の根石と比べて、まったく積み方が違う。明らかに積み直している」と指摘。「急いで作業するため、堀の水を抜か