イチョウの葉が黄金色に輝く季節である。もうじき降りしきる落葉が地面を黄色の絨毯で覆い尽くす。黒く禿げた少し不格好な枝は冬の目印になる。異常気象の常態化で多少前後することはあっても、この時期に毎年繰り返される、たしかな自然の営みである。 ところで、近年のフランスでは、ちょうどこの時期にイチョウなどの木が植えられるようになっているのをご存じだろうか。 フランスは「ライシテ」と呼ばれる世俗主義の原理に立脚する共和国だ。政教分離を定めた1905年12月9日の法律は、非常に象徴的な意味を持っている。 この日付の重みが近年とみに増している。フランスはライシテの国であることが再確認され、12月9日はライシテの記念日に制定された。そしてこの日を中心に、フランス各地で植樹祭が行なわれているのである。 なぜイチョウがライシテのシンボルなのか この植樹祭の全貌を把握できる研究はまだないようだが、ジャーナリストの
![日本人が知らない、この時期にフランスでイチョウが植えられる事情(伊達 聖伸) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/628c63f013611b16fc4dcc924961285fb429f75a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2Fc%2F1200m%2Fimg_5cc497a988d06f6bd9df2f26d195a2f5779766.jpg)