「なぜガリマールをとりあげたのか。かれがユニークで例外的な人物だったからだ。20世紀初頭の10年間に出版活動に身を投じた人々のなかで、ガリマールは生涯の終りにあたって、自社の部厚いカタログをひもときながら、フランス文学、それは私だということができた唯一の人物であったことはたしかだ。かれ自身は一冊の本とて書いたわけではない。が、かれはすべての本に署名している。本の表紙の上にではなく下に——あらゆる作家の共有物であるかのように。それがかれの作品なのだ。その数は数百万部に及び、独特の体裁と色彩は、20世紀の教養人たるものの書棚にあってすぐそれと見分けられる。」(著者)ガストンは95歳の誕生日を目前に世を去った。自分と共にその秘密をも墓場の彼方に持ち去った。 本書はこの重要でありながらよく知られていない人物について書かれた最初の伝記である。また半世紀にわたるフランスの出版活動についての専門研究でも
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