日本の近代・現代とはどのようなものだったのでしょうか。 私たちが今、日々ニュースで接する日本の社会状況や外交政策を、そのような歴史的視点で捉えると、いろいろなものが見えてきます。 この連載では、「日本」と東アジア諸国との関係を中心に、各時代の象徴的な事件などを取り上げ、さまざまな資料の分析はもちろん、過去の事実を多面的に捉えようとする歴史研究の蓄積をふまえて解説していただきます。 現在の日本を作り上げた日本の近現代史を、もう一度おさらいしてみませんか。 (毎月下旬更新予定) 1 事実と「事実」-体験と認識 当たり前のことだが、人は自分が直接に体験した事柄しか知ることができない。当事者・体験者・目撃者でもない限り、人はある事実(出来事)を直接知ることができない。しかし、自分の五感を通して認識したわけでもないのに知っているのは、“誰か”から情報を得たからである。他の人が語ることや書いたものを通