この子役、超かわいい、超天才。 37歳で病死したギョーム・ドパルデューの遺作となってしまった本作、この才能が喪われてしまったことはほんとうに惜しい。父ピエールへの反抗心からか、少年のころから問題児であった彼の生き様を映したような本作には、演じる人としての役割を超えたものを感じてしまう。 ベルサイユ宮殿のあのきらびやかで見事な階段の遠くに森がある。その森にはホームレスの共同体が存在している。このことがまず、この映画の元となっている。それはつまり大阪城公園や剣崎公園、天王寺公園などのホームレス村と同じことなのだろうか。広さの点では遙かに劣るが。ホームレスになって生きる青年ダミアンと、その森に迷い込んだホームレス母子は、一晩だけ共に過ごす。朝になると母は姿を消し、5歳の息子エンゾが残されていた。ダミアンは仕方なくエンゾを育てることになる。やがてダミアンはエンゾを社会に帰すべきことを悟り、エンゾを