『来たるべき蜂起』はフランスで2007年に刊行されたもの。本書は2009年の『焦点を合わせる』が所収された増補版の訳書。僕にとってのポイントは3つ: 1.これは基本的には「目には目を」の思想である。 2.「蜂起」は比喩ではない。 3.フランスの思想に触れるときはいつも、相対するように見えるものがそれぞれお互いの一部であり、あるものはあるものの一部であり、それが一つのものに見えるように見えて実は既に異なるものに変わってしまっている、ということが詳らかにされる。そうやって常に出口を切り開いてきたが、遂に出口などないということが語られている。 コミューンとは何か。コミュニティとは何か。コミューンであれコミュニティであれ、何かひとつの集団を形成するとき、形成する成員につきまとうあの選民感情、特権意識、優越感。たとえそれが「自由」を標榜するコミュニティとしても、コミュニテイである以上はコミュニティの