卯月(現在の5月頃)の別名は夏の初めの夏初月(なつはづき)、薔薇の香りが漂う清和月(せいわづき)、田植えをする植月(うえづき)の他、今はあまり使われなくなった木の葉採月(このはとりづき)があります。 この木の葉は桑の葉のことで、蚕に食べさせる桑の葉を摘むのに忙しかったためです。何度か休眠を繰り返しながら成長した蚕が、最後に猛然とした食欲で桑の葉を食べると、いよいよ糸を吐いて繭を作り始めます。かつて絹は、日本の重要な産業のひとつでした。農家は蚕の世話と田植え、そして地域によっては麦の収穫も重なって、猫の手も借りたいほど忙しい時期でした。 蚕は新鮮な桑の葉しか食べず、夜中でも食べ続けます。食欲旺盛な蚕たちを満足させることは繭の出来にも影響するため、桑の葉を採ることは大事な作業でした。「猫の手も借りたい」という言葉はここからきており、猫は大切な蚕をねずみから守ってくれるため、猫を貸し借りすること
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