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ブックマーク / www1.e-hon.ne.jp (4)

  • 紙面掲載した書評をご紹介 「図書新聞」の書評コーナー

    世界文学の光源、シュルツの研究史 ――ポーランド文学の翻訳と交流の記録 評者:高取繁(評論家) 二〇世紀ポーランドを代表する世界的作家ブルーノ・シュルツについては、もはや多言を要しないだろう。ポーランド出身のイディッシュ語作家アイザック・バシェヴィス・シンガーは、「シュルツはときにカフカのよう、ときにプルーストのように書きましたが、しばしばそのどちらも到達できなかったような深みに辿り着くことに成功しました」「シュルツはまた不条理の名手です」と述べた。故郷である東方ユダヤ人の集住地域ガリツィアのドロホビチ(現在はウクライナ領)で、シュルツは一九二〇年代から画家として活動をはじめ、三〇年代に二冊の短編集『肉桂色の店』『砂時計の下のサナトリウム』を刊行した。ポーランドが独ソに分割占領され、独ソ戦へと続く時代のなか、四二年にナチスの将校に射殺された。一時は忘却の淵に沈んだ作家は、二〇世紀後半に世界

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    古典の風格を備えた「遺言」 ――高度に洗練された文学理論であり、執筆の実践的アドバイスも数多い 評者:松卓也(自治医科大学精神医学教室/精神病理学) かつて筒井康隆は「小説なんて作家のオナニーみたいなものだ」という侮蔑に対して、肯定的に応答したことがある(「あなたも流行作家になれる」、『乱調文学大辞典』所収)。小説は自慰である。なぜなら、自慰における空想のなかで、どんな異性を登場させ、どんな風に彼/女らが振る舞うかを空想し、絶頂に達するまでの道筋をこまかく追求していく細やかな作業は、創作にも共通しているからだ。ただし、その自慰は単なる自己満足であってはならず、他人をも満足させ感動させるような壮大で独自な自慰であるべきだと筒井は述べていた。つまり、自慰のような小説が退屈なものになってしまうのは、その作家が自慰で小説を書いているせいではなく、それを書いた作家の自慰が「誰でもやっているつまらな

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  • 『核時代の想像力』大江健三郎 書評

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