九州大学の研究チームは、低エネルギーの光を高エネルギーの光に変換するフォトン・アップコンバージョン技術の実現に必要な分子組織体の開発に世界で初めて成功した。太陽電池や人工光合成の効率を高めるための画期的な方法論になることが期待される。 九州大学大学院工学研究院/分子システム科学センター(CMS)の君塚信夫主幹教授・センター長と楊井伸浩助教授らの研究グループは、フォトン・アップコンバージョン技術の実用化に必要な分子組織体を世界で初めて開発した。 フォトン・アップコンバージョンとは、これまで利用できなかった低エネルギーの光を高エネルギーの光に変換する技術で、太陽電池や人工光合成の効率を飛躍的に向上するなどの再生可能エネルギー技術への応用が期待される。 太陽エネルギーの約半分は近赤外光で占められているものの、近赤外光はエネルギーが低いためこれまでの太陽電池では有効活用することが難しかった。また太