種苗法改正を巡って、いろいろな人の声を聞くようになった。私は以前、自家採種に関する本の編集に携わったこともあって、この方面には決して無関心ではない。けれど、法制度に関してはその本の著者グループの間でさえ温度差があり、私のようなシロウトがあまり踏み込んではいかんのだろうという感覚もおぼえた。現行の制度を変えるべきかどうかはともかく、現行の制度でさえ、問題点がないわけではないことも理解できる。なので、改正するのであれば、それはきちんと有識者が議論して、正しい方向性で改正されるべきであり、そういうことであれば、いまさら私がどうこういうことでもなかろうと、近頃では距離をおいていた。 種苗法にかぎらず知的財産関連の制度では、それをタテにとったグローバル企業の世界戦略との関連性が必ずとりあげられる。細かい話をすると長くなるので一言で乱暴に端折ってしまうとそういう世界戦略は概ね人類にとって好ましいもので