がんの痛みに対する治療を受けた患者のうち、痛みを完全に取り除けたのは2割にも満たないことが、がん患者を対象とした慶応大などのアンケートで明らかになった。 強い痛みを感じても医療関係者らに伝えない患者も多く、痛みで体力を失って、がん治療に影響する可能性もあるという。 研究チームは、がんの患者会69団体に協力を求め、計1634人の患者から回答を得た。 患者のがんの進行度は様々で、6割はがんの痛みを経験していた。痛み止めの投与など治療を受けた人のうち、「痛みが完全にとれた」と回答した人は16・6%。 評価方法は異なるが、看護師を対象にした先行研究では、延命治療中のがん患者の5~6割は鎮痛対策で「十分に効果あり」としており、患者と医療関係者との間で大きな差があった。